Omizu

暴力脱獄のOmizuのレビュー・感想・評価

暴力脱獄(1967年製作の映画)
3.7
【第40回アカデミー賞 助演男優賞受賞】
『さすらいの航海』スチュアート・ローゼンバーグ監督作品。アカデミー賞では主演男優賞など全4部門にノミネート、助演男優賞(ジョージ・ケネディ)を受賞した。

邦題が悪い。これだと何の話なのか全く分からない。ポール・ニューマンがどれだけ拷問されようと脱獄を繰り返す男を演じている。

ルークの不屈の精神がとにかくカッコいい。反体制のシンボルとも言えるルークというキャラクターを体現したニューマンが素晴らしい。

ロケーション、撮影が非常によく、豊かな画面を作りあげている。繰り返し出てくる道が印象的だ。

暴力的な看守に抗い続けるルーク、その男の運命とは。実に暗喩的で深読みさせられる。聖書の影響が示唆されているが、まさに神話的な物語でもある。

単なる脱獄ものを超えて深いメッセージ性を感じさせる良作だ。ルークは何を象徴しているのか、それを考えながらみると楽しい。
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