MrCinematic

マイレージ、マイライフのMrCinematicのレビュー・感想・評価

マイレージ、マイライフ(2009年製作の映画)
3.6
鑑賞記録

“ライアン・ビンガム”は年間365日のうち、322日も出張しアメリカ全土にわたり企業のリストラ対象者に解雇宣告を告げる、言わば“リストラ代理人”のエキスパートだった。空港や飛行機が彼の家であり、ある目的達成のためにマイルを貯め続けていた。しかしある日、会社に新人社員の“ナタリー”が入ってきてネットのビデオ通話から解雇宣告を行う提案をし、出張自体が無くなりそうになる。反発したライアンは会社からナタリーの同行を依頼され、一緒に周り始めるが...というお話。


日本は全くの逆で“辞めたくても辞められない”風潮が根強くあるため、この仕事にどれほど需要があるのだろうか?と、最初は全く分からなかったが、日本とは違い就職もままならなくホームレスやギャングなどの闇仕事に加担しているアメリカの社会情勢を思い出して、改めて考えると仕事が出来ること自体が人間関係の面倒事が起きるとともに繋がりが増えていき、家族を養い周囲の人も大切にしていきたいという責任と仕事に対しての意義が生まれるのだと感じました。

1人の有意義な時間を過ごすのも悪くはないが、固執し過ぎると、他人に抱く“関心”が無くなってしまい、それまで繋がっていた縁も全て解けてしまうような人生の難しさや虚しさも垣間見えるビターな作品でした。

しかしながら、ライアンがその事にようやく気づき始めた途端に“人生の解雇宣告”のような展開は正直なところ、もう少しどうにかならなかったのかなぁ?とも思いました。
ポジティブに考えると、マイレージも仕事もパートナーも無くなり、リセットされた人生を再出発するとも捉えることも出来なくはないが、評価は下がってしまうだろうなぁ。と思わずにいられなかったです。

けど、何か清涼感も漂った感じがしたのは何故だろう??
幸せな人生を見出せれば分かるのかなぁ?