この映画作った人、やっぱり天才やわ。
それこそこの映画も『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『サウンド・オブ・ミュージック』ばりに何度も観てまして。おそらく一億万回は観たんじゃないか(笑)。
『ニュー・シネマ・パラディーソ』のおっさんばりにセリフ言えるよ(笑)。
でも今まではモニターばかりで、劇場のスクリーンで観たのは今回が初めて。
大きなスクリーンで観ると、「あ、水しぶきと一緒に破片とかも落ちてたんや」とか「不二子、マイク胸に差し込んでるやん」とかの、ここに来て新たな発見がありました。
しかしこの映画、ホントによくできてるね。
物語の切っ掛けから本筋に入るスムーズな流れとか、それからのアクションで繋げて行く展開とか。
設定も、歴史観まで窺えるカリオストロ公国の情勢や成り立ち、スケール感を支えるラストのお宝のギミックやその背景などなど、いちいち辻褄があっており、細かい部分にまでよく目が行き届いている。
だからこそ何度もの鑑賞に耐え得るわけで、これぞ名作の証と言えましょう。
そしてこの人、キャラクターの性格を一発で表現する演出がうまいよ。
人を道具のように使うことで伯爵の人間性を出したり、気絶したルパンを介抱することでクラリスの清廉、純朴さを描いてみたり。
食事で人物の階層の差をみせたり、小道具の使い方とかもうまくて、ため息がでるほど。
例えばライターひとつ取っても、ルパンが侵入する際の大掛かりなギャグの発端となっているのに加え、銭形とルパンを結びつけるアイテムとしても使われている。
(煙草を吸う際にルパンはとっつあんに火を借りる。しかも一本の煙草を二人で吸う!)
ホントにこの映画がたったの半年で作られたのか疑わしくなるほどです。
最後に、この映画で私がずっと気になっていて未だに分からないことがありまして、知ってる人がいたらお聞きしたいんですよね。
それは襟の裏です。
作中、ルパンは盗んだお宝をいつも襟の裏に隠すというのが出てくるんですが、私この仕掛け、非情によく考えられてると思うのです。
例えば盗賊が捕まって身体検査をされた場合、探されにくそうな場所であり、走ったり格闘したりした際にも落としにくい場所であるから、隠し場所としては最適なような気がしているのです。
(中学か高校のとき、メモで実験してみたけど落ちてなかったです。指輪は…どうやろ笑)
で、この襟の裏、もともとルパン三世のシリーズにあったネタなのか、はたまた過去のミステリや探偵小説にあったものを拝借したのか、それとも宮崎駿の創作なのか。(だとしたらまた株が上がっちゃうんですが)
ミステリや探偵小説、ルパン三世に詳しい人、教えてもらえないかなあ。
あ、今回、クラリスがルパンのことを「ルパン」と呼んだか呼んでないか、確認するのを忘れたなあ。
朧げな私の記憶では最後の最後に1回だけ言ってたような気がするのですが。
まあそれは次回の鑑賞のときの楽しみにとっておきます(笑)。