ほんとに動物をよく研究してるなあと(何様)。やっぱりアニメーターの本分は、描く対象の原型を隅々まで、飽くまで、嫌になるまで知り尽くすことなんだろうと思う。あくまでもリアリズムに根ざしたでっかい土台の上に、夢見心地なファンタジーが生まれ落ちる。
『もののけ姫』にも継承される人間と自然というテーマは、その比重において全く異なり、人間を一切画面内にいれずオフの銃声と逃げ惑う動物たちのみが描かれることで殊更に恐怖が助長される。母の死を嘆く暇もないままにサバイブせねばならぬ大自然の厳しさ。うぅ…ダンボもバンビもなんであんな目に会わにゃならないんだ…憎い…。でもやがて「皆が浮かれ頭になってしまう」春が訪れて。同窓会のように集結し、先輩フクロウに諭されたバンビ、フラワー、とんすけの一行の、これ以上ないほど綺麗なフリオチ。最高。
当たり前の物語、すなわち母の愛を受けて育ち、悲しみを乗り越え成長し、恋に目覚め、次なるものへ継承していくという、自然界のごく普通のなりゆきを描く強度が、今の自分には心地良い。Big5マラソン終わったー!次はシンデレラ。