このレビューはネタバレを含みます
ヒトラーとスターリンのこの攻防のため、プライドのために数百万が亡くなった戦いであって、士気を高めようとするのも納得できる。ヴァシリ・ザイツェフは実在したそうでリアルとエンタメ性を兼ね備えたカッコ良い作品でした。
決して戦争を正当化せずプロパガンダのため動く兵士もいれば死んだふりして隙を狙うこともある。最初は主人公に銃さえなく、「銃がほしい、銃が」という声にひぃ〜ってなりました。そりゃそうか。武器にいつも余裕があるわけないのだ。
狙撃犯は居場所を悟られたら終わるというのも何かの映画で知ったけれど、本作ではとくに優秀な狙撃犯同士の攻防戦にハラハラしっぱなしで面白かった。
戦争に面白いなんて言ったらいけないけどケーニッヒ少佐が敵ながら強くていい。。
ダニロフを含む恋愛要素もラストに向かい重要で、彼の犠牲なくしてはザイツェフの勝利が無かったという意味で、彼を英雄にしたのはダニロフの功績であるという切なさがある。
『隣人を羨まないですむ平和を望む。
だが、羨望は人の性…』
英雄として祭り上げられるケーニッヒ少佐もタグを預かろうなんて扱いを受けるあたり『英雄』という立ち位置の困難さをよくよく感じました…
実際に何日も動かず敵を討つことがある忍耐強さが必要な狙撃手の凄まじさはとんでもないな。
ロシア目線だったので別にも描かれるドイツ目線のスターリングラードも観てみたい。