さすがにこんな兵士おらへんやろ……シモ・ヘイヘがモデルとかかね……。と思いながら観てたら歴史物でよく目にするその後の文章が流れた。たまげた。
映像が派手な分、戦争の描写がキツい。昨今の情勢だと余計にね……。
プロパガンダってこう生まれるのか、と。
すでに瓦礫の街と化しているスターリングラードへ向けて進む船で、空から爆撃や機銃掃射を受けて怯えていたのに、英雄として祭り上げられてからは笑顔が増えたヴァシリが観ていて辛かった。
辛かったというか怖かっただな。人は環境でこうも変わってしまうのかと。
辛い面もあるが面白い映画だった。
戦争を嘆く映画ではあるんだが、それを無しにして考えても良い映画だったな。正直狙撃兵としてのヴァシリはカッコよかった。あんなんいたら嫌でも憧れてしまう。
凄腕のスナイパーたちの決闘は胸が躍る。決して忍耐と技術の静かな戦い。
戦争じゃないところで見せてくれるのが一番ではあるが。
