Jimmy

乱暴者のJimmyのレビュー・感想・評価

乱暴者(1952年製作の映画)
3.8
ブルート(乱暴者)というあだ名を付けられた男は、力持ちだが頭が少し弱いが、実は優しい。そうした男が世話になった地主の手助けをしたばかりに起こる悲劇を描いたルイス・ブニュエル監督作品。

冒頭、地主アンドレスから立ち退きを通告される彼のアパートに住む貧しい人々が描かれるので、これは立ち退きさせられそうになるアパート住人の物語か…と思ったら、次には地主アンドレスの立場が描かれる。
そして、アンドレスはアパートに住む人々を腕づくで追い払おうと考えて、肉処理場で働くペドロという腕っぷしが強い大男を呼ぶ。ペドロはアンドレスにこれまでの恩があるから断れない。ペドロはその腕力から「ブルート(乱暴者)」と呼ばれている。
すると、その後はブルートの物語となっていく。
彼は、住民を追い出そうとするが、住民たちに返り討ちにされる。そして、ブルートが隠れようとした部屋にいた女性メーチェに恋心を抱くようになる。ただ、地主の女パロマもブルートを好きになっており、嫉妬も描かれる。
そして………。

ブニュエル映画としては、とても分かりやすい物語であり、とても面白かった。
あちこちで描かれる「運命のしっぺ返し」とでも言うべきエピソードが本作の面白さを増している気がする。
なかなかの佳作であった。
Jimmy

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