コーカサス

風と共に去りぬのコーカサスのレビュー・感想・評価

風と共に去りぬ(1939年製作の映画)
4.8
南北戦争を力強く生き抜いた女性スカーレットの波乱万丈の人生を壮大なスケールで描いた映画史に燦然と輝く金字塔。

強くて美しいヴィヴィアン・リーと都会的かつ野生的魅力のクラーク・ゲーブルの高度な演技力、テクニカラーによる美しい映像、ウォルター・プランケットが手掛けた衣装…そして今も耳に残るマックス・スタイナー作曲『タラのテーマ』…と、全てが揃った《完璧映画》だ。

アメリカ本国では1939年公開だが、日本での初公開は戦後の1952年。
当時、ディズニーの『ファンタジア』と本作品を観た日本の軍関係者が「こんな映画を作るアメリカ相手に勝てる訳がない」とつい《本音》を漏らした話は有名。
さらに1939年は、同監督のもうひとつの名作『オズの魔法使』も公開されているのだから、確かに驚きである。

それは決して映像という技術面だけの話ではない。
女性の立場でありながらもスカーレットが身を持って示した“アメリカの精神”、これこそが当時はおろか81年経た今も色褪せることなく輝き続け、語り継がれる最大の勝算であり、答えだったのではないだろうか。

以前『誰がために鐘は鳴る』のレビューで、その邦題タイトルを「5本の指に入る傑作」と称賛したが、この『風と共に去りぬ』も間違いなく傑作邦題だ。

“After all, tomorrow is another day.”
「明日は明日の風が吹く」
こちらもまた素晴らしい。

123 2020