【実験的】
※この「蛇の道」が同じ黒沢清監督で、場所をフランスに置き換えて同名タイトルでリメイクされ6月14日から公開される。
幼児虐待をベースにした父親の復讐劇だが、非常に実験的で、ノワール感を漂わせながら、物語は途中で二転三転、残酷な場面もあるけれども、時には滑稽で、とてもテンポよく興味深い作品に仕上がっていると思う。
こうした犯罪を犯す人間のバカさ加減や、同じ穴の狢(ムジナ)の自己中心的でアホなところに対して、復讐する人間の冷酷さと冷徹さが対比になっている気がする。
つまり、僕たちの犯罪者に対する法制度を通じた所謂(いわゆる)庶民感情にも似ているのかなと……。
終盤に、本当は”もしやこいつ!?”みたいに思わせる場面があって、”やっぱりー!”みたいな感じにさせるのも面白い。
香川照之さんが若くて笑っちゃうけど、イカれた感じはさすがだ。