ALBAのOdyssey

レッド・ドラゴンのALBAのOdysseyのレビュー・感想・評価

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)
3.8
~ハンニバル・レクター再び、知能犯との心理戦が鮮烈~

「レッド・ドラゴン」は、「羊たちの沈黙」の前日譚にあたる物語であり、ハンニバル・レクター博士(アンソニー・ホプキンス)が繰り広げる心理戦を再び堪能できるサイコスリラーである。元FBI捜査官ウィル・グレアム(エドワード・ノートン)は、猟奇的殺人事件の捜査に協力するため、収監中のレクターの知恵を借りなければならない。

冷徹で機知に富んだレクターと、彼にトラウマを刻まれたグレアムとの不穏なやり取りが見どころだ。更に、レイフ・ファインズ演じる殺人鬼「赤い竜」の闇深い過去と残虐性が物語に重厚感を与え、緊張感は終始高まる。監督ブレット・ラトナーによるスピーディーな展開や、トーンを落とした映像美学も世界観を支えている。

おすすめのシーンは、グレアムとレクターがガラス越しに対峙する場面。微妙な表情の変化、わずかなセリフの裏にある心理戦が、その場に息苦しいほどの張り詰めた空気を漂わせる。ちなみに、この物語は原作小説「レッド・ドラゴン」に忠実で、前作「ハンニバル」よりも原点回帰的なアプローチなのが◎!

「レッド・ドラゴン」は、レクターシリーズの原点に触れることができる作品で、狂気と理知が交錯する独特のスリルを味わえる。
クラリスxレクターも良かったが、グレアムxレクターもレクターの恐ろしさが新たな形で浮き彫りになる形となり結構面白い。