生まれてからずっと地下牢に繋がれ、歩くこともままならず、言葉はおろか自分以外に人間がいることすら知らなかったカスパー・ハウザー。ある日突然解放され、片手に騎兵大尉への手紙を握りしめて外の世界に放り出された。
小鳥を愛で、赤子を腕に抱いて涙を流し、猫に二足歩行を教えようとし、女に料理と編み物しかさせないのは何故かと問い、神を拒絶し、りんごの実にも意思があると考える純粋な彼は、社会と折り合いをつけることができなかった。
ブルーノ・Sの目を大きく見開いて強張った表情が印象的。最新のDNA解析でバーデン大公子説は否定されたとのこと。