クリント・イーストウッドがデニス・ルヘインのベストセラー小説を映画化。
過去を引きずる幼なじみの3人の運命が殺人事件をめぐって交錯するミステリー。
原題:Mystic River
(2003、138分、PG12)
ボストン近郊のミスティック川沿いにある小さな町、イーストバッキンガム。
幼なじみの少年ジミー、ショーン、デイブの3人が一緒に遊んでいる時、デイブだけが正義感の強そうな見知らぬ男2人に連れ去られ4日間の監禁と性的暴行を受ける。
その事件をきっかけに疎遠になってから25年後、ジミーの娘ケイティが遺体となって発見される。
刑事となったショーンは捜査に乗り出すが、捜査線上にデイブが浮上する…。
~登場人物~
①犯罪稼業から足を洗い雑貨店を営むジミー・マーカム(ショーン・ペン、少年時代はジェイソン・ケリー):2年間の刑務所暮しを経験している。
・妻、アナベス(ローラ・リニー)
・アナベスとの幼子、サラとナディーン
・亡前妻マリータとの娘、ケイティ(エミー・ロッサム):19歳。何者かに惨殺される。
・娘の恋人、ブレンダン・ハリス(トム・グイリー):父はジミーのかつての仲間レイ・ハリス="ただのレイ"。
・その弟、レイ(スペンサー・トリート・クラーク):口が利けない。
・犯罪家業を続ける兄弟、バル・サベッジ(ケヴィン・チャップマン) とニック(アダム・ネルソン)
②州警察の刑事になったショーン・ディバイン(ケヴィン・ベーコン、少年時代はコナー・パオロ)
・家を出て行った妻、ローレン(トリ・デイビス)
・同僚の警部、ホワイティ・パワーズ(ローレンス・フィッシュバーン)
③11歳のとき誘拐監禁され性的暴力を受けトラウマに悩まさているデイヴ・ボイル(ティム・ロビンス、少年時代はキャメロン・ボウエン)
・妻セレステ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)
・息子、マイケル(ケイデン・ボイド)
④その他
・酒屋の老店主(イーライ・ウォラック)
「もしあの時俺が車に乗っていたら、俺はボロボロになって、彼女を口説く勇気なんてなかったさ。そしたらケイティは生まれず、殺されることもなかった。そうだろ?」
If I’d gotten into that car, I’d bea basket case. I never would have had the juice to go near her. And Katie never would have been born. And she never would have been murdered. You know?
「俺が考えてたのは吸血鬼のことについてだ。
吸血鬼?
死んで甦る。だが、いいこともある。
ある日目覚めると人間の頃を忘れてる。いいだろう」
Maybe one day you wake up and you forget what it's like to be human and maybe then, it's ok.
「パパは王様なの。王様はやるべきことを知ってる。たとえどんなに難しいことでも、愛する人のためならパパは何だってする。それが何よりも大切なこと。だって、みんなは弱いけど、私たちは違う。私たちは決して弱くならない。あなたはこの町の支配者なのよ」
Their daddy's a king. And a king knows what to do and does it. Even when it's hard. And their daddy will do whatever he has to for those he loves. And that's all that matters. Because everyone is weak, Jimmy. Everyone but us. We will never be weak. And you, you could rule this town.
"8万ドル"
"自白の強要"
幼少期の辛い過去が3人のトラウマとなって運命に繋がっていく。
恐いのは思い込みによるショーン・ペンの行動。
そして、愛する家族のためなら何でもするよう鼓舞する女ローラ・ニーロ。
勧善懲悪社会というものは空論で、世の中は善悪を越えたところで成り立っている。そして犯罪者は必ずしも裁かれず、社会を牛耳る勢力になっているという現実を重厚に描いている。
クリント・イーストウッド監督作ベスト5(製作年順)
製作年順)
①許されざる者(1992)
②ミスティック・リバー(2003)
③ミリオンダラー・ベイビー(2004)
④チェンジリング(2008)
⑤グラン・トリノ(2008)
(次点←製作年度順)
⑥恐怖のメロディ(1971)
⑥アルカトラズからの脱出(1979)
⑥パーフェクト・ワールド(1993)
⑥マディソン郡の橋(1995)
⑥父親たちの星条旗(2006)