BOB

あこがれのBOBのレビュー・感想・評価

あこがれ(1958年製作の映画)
3.5
フランソワ・トリュフォー監督が『大人は判ってくれない』以前に手掛けた短編映画。

フランスの田舎町。夏休みを迎えた5人の少年達が美しい年上女性に惚れ、彼女とその恋人の関係を必死に邪魔する。

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恋に目覚めた思春期の少年たちの憧れ、嫉妬、苛立ちを瑞々しく描いた青春ドラマ。

風を切って自転車を乗り回すベルナデット。恋人とテニスを楽しむベルナデット。ひるがえる純白のスカートに性欲の疼き、興奮を隠せない。

あの手この手で冷やかしてもベルナデットは婚約に行き着いてしまうが、運命のいたずらによって結婚は実現されずに終わる。募りに募った嫉妬と苛立ちが、哀れさと少しの罪悪感に変わる。淡くてほろ苦いひと夏の青春ものとして見事な締め方だった。

正々堂々とエロを描いても、イヤらしさや気持ち悪さではなく、どこか爽やかさを感じさせる所にトリュフォー監督の手腕を感じる。

『いとこ同士』や『アメリカの友人』のジェラール・ブランと、本作が映画デビュー作となったベルナデット・ラフォン。

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