1961年につくられた黒澤明監督作品。やくざが対立するさびれた宿場町。そこへひとりの浪人者が流れ着く。男はたくみな策略で双方を戦わせると……。
今年の年末はBS松竹東急とNHKBSプレミアムシネマで石原裕次郎&三船敏郎特集ですね。『用心棒』久しぶりに見ました。
ふとこれは『カサブランカ』じゃ? というか三船版ボギー? と思えてきて、そうなるとこの清兵衛一家と丑寅一家の争いは東西冷戦そのもので、三船敏郎演じる桑畑三十郎が日本であることは間違いなく、核戦争待ったなしとされた当時の様相から「これくらい上手く舵取りしてくれよぉ」的な国へのメッセージが作り手からなされたんじゃないかな。
もっとくだけて言えば東西大国を手玉に取る小国の小気味良さを三船敏郎に投影して楽しんだとも言えるかな。そりゃヒットするわ。お次は『椿三十郎』です。楽しみ!