特に好き嫌いがはっきり分かれるタイプの映画だと思います。だからこそカルト映画の代表格になり得たのでしょう。あまりに有名な冒頭の、真っ黒の背景に浮かび上がるツヤツヤした紅い口紅の口唇が歌う場面(ジャケット参照)の視覚イメージがやはり強烈で個人的にはそこがハイライト。あとはケバケバしく馬鹿馬鹿しく騒々しいミュージカルホラーで、殊のほかミュージカルが苦手な私にはやっぱりついていけませんでした。感性が合う人にはそこがたまらない魅力なのでしょう。変態的で退廃的、カオスな世界観は意外にも大人しめに感じました。狂言回し役をどこかで見たはずなのだがと考えていたら、名作ドラマ「シャーロック・ホームズの冒険」でシャーロックの兄マイクロフトを演じた役者(チャールズ・グレイ)だと思い出しました。渋い。