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東京上空三十秒のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

東京上空三十秒(1944年製作の映画)
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アメリカの戦意高揚映画。日本本土に初空爆を行ったB25のパイロットたちのヒューマンドラマ。ダルトン・トランボ脚本で戦中に製作。実際の映像が一部使われている。

戦後に作られた兵士と家族の再会と勝利を祝う作品にも見えるくらい余裕の雰囲気。

まるで空爆は仕事として割り切っているイベントのようで、兵士たちに、日本に恨みも憎しみも好きも嫌いもないと言わせている。

合理的に進められる計画。
また、標的は工場だが、中には市民がいる。道徳的な罪悪感を覚えるなら辞退してもいいと大将がいう。

日本に恨みもつらみもない訓練された命知らずではない(生きて帰って最愛の妻を抱きしめたい)パイロットたちが低空飛行で日本の主要都市の軍需工場を瞬間で空爆して、中国の親米の都市重慶に逃げきる計画だった。飛行機にトラブルがあり、中国の海岸に不時着。命は助かったものの骨折等の負傷して、現地中国人に助けられ、他のアメリカ兵も合流し、中国とアメリカの絆を強くし、帰国すると最愛の妻に再び会えるシナリオ。

戦意高揚としては、淡白な作りだが、計画の合理性、兵士へのサポートが行き届いていること、兵士に訓練させていること、無事帰国して家族に会えることと、ケガしても誇り高き仕事であることが、陸軍のPVとしては機能しているように思う。

日本憎しに作らなかったのは、ダルトンだからか。

1957年に日本で公開されているが、誰がどんな気持ちで観たのだろう。
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