軽さが効いた映画である。元チーム・ダイダロスのメンバーは、リタイアしても、それぞれが人生を楽しんでいる。適当な牧師、女にモテモテのジェットコースターのディレクター、ぶっ飛んだ曲芸パイロット、気難しそうなフランクですら、愛する人と睦つましく暮らしている。そして、苦しいときほど出てくるジョーク。おもしろかったり、そうでもなかったりだが、おもしろいことは二の次。ジョークを思いつき、喋って、聞いて、受け止められる心持ちが大事なのだ。彼らの知り合いが、もう死んだって話が何度も出てくる。それを聞いて彼らは少しだけ表情を曇らすけど、ただ、それだけ。「まあ、そんなこともあるよな」ってくらいな感じ。死に対しても、深刻さは薄く、誰にでも必ずやってくることが、その時、来ただけ、というような捉え方だ。達観の一つの様を観る。
ラストシーンのしゃれっ気と格好良さは秀逸。