決して感動できるヒューマンドラマでもなく、コメディー映画でもなく、胸糞悪い作品だと思った。もちろんトゥルーマンが自分の人生がすべて監視されている作り物の世界だと知ってから虚構→現実へと飛び出していく展開は感動もするし、それと同じように悲しくもなる。
だからといって本作は感動エンタメとして消費されるような作品ではない。最初からラストまで胸糞悪い。
本作の胸糞悪いポイントは大きく2つの視点に分けられる。
■テレビ製作者
・プロデューサー、スタッフのすべてが他人の人生をおもちゃにしている。
・両親や親友など周囲の親しい人をすべて演者で固め、トゥルーマンが真の人間関係を築く機会を奪っている。
・視聴率が良ければそれで良し。何をしても良いという考え方。
・トゥルーマンが外の世界に出ようとしたら生死を問わずに阻止しようとする倫理観。
■視聴者
・他人の人生を弄んでいるという自覚がない。
・トゥルーマンが外の世界に出ようとする展開になった途端、皆が揃いも揃って応援する思慮の浅さ。最初から脱出を前提としたバラエティー番組なら理解できるが、他人の人生を監視するのが目的の番組なので、手のひら返しが気持ち悪い。
テレビ製作者も視聴者もとにかく倫理観がバグっているので、最後まで胸糞悪い。普通に犯罪レベル。
ただ、映画としてはめちゃくちゃ面白い。腹立つけど。フィクションとして観ているから面白いだけ。
それにしても本作を鑑賞して想起したのは、「水曜日のダウンタウン」を手掛ける藤井健太郎さんだ。「水曜日のダウンタウン」でクロちゃんの部屋に監視カメラを仕掛けてドッキリをしたり類似点が多い。「水曜日のダウンタウン」での演出も本作に影響を受けていたりするんだろうか。そう考えると、「水曜日のダウンタウン」でのクロちゃんは芸人であるということも鑑みて絶妙な塩梅でエンタメにしてるんだなあと感心した。
以下は個人的なメモ
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めちゃくちゃ壮大なドッキリ番組
「広い世界を見て回りたいんだよ」
メリルと結婚させるための既定路線の演出
旅に出る
原発事故
調理器具とココアのプロモーションしてるやん笑
「いくら仕事だってあんまりだわ」笑
子供のときからの親友も仕掛人とかしんどいな。
テレビ製作者と視聴者がゲスすぎる。
両親も演者とかクソすぎ。
テレビ製作者の倫理観がやばい。
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