このレビューはネタバレを含みます
このGANTZの第2部で自分が追いかけたのは、当たり前に、GANTZの正体、その目的、星人と地球人の関係だ。第1部の終盤で星人は、GANTZの戦士たちに、先に仕掛けてきたのはお前たちだ。我々はお前たちに復讐する、と言う。確かに、第1部でねぎ星人に仕掛けて彼らを吹っ飛ばしたのは地球人だ。しかし、GANTZの戦士と星人との戦いはそれ以前から続いているので、「先の仕掛け」はこのことではない。それ以外にこの映画の中でこのことは説明されていない。状況証拠で推測するならこうだ。未来において地球人がどこかの星人に対する侵略、虐殺などを行った。時間を遡ることが出来るようになった星人は、その侵略、虐殺を阻止するために、過去の地球人の殲滅を試みた。未来の地球人もその星人の戦略に対応するために、未来から過去へと時間を遡ったが、遡った実体は未来の地球人ではなく、過去に死んだ地球人を生き返らせて戦士にする装置「GANTZ」だった。未来の地球人が直接戦士にならなかったのは、命が惜しかったから。過去の生きた地球人を戦士にしなかったのは、その死などによる未来への影響を最小限にする為。GANTZの高度な機能やその動力は、その中に組込まれた人間の意識や意思や知性、そして、蓄えられたエネルギーやその代謝に依存している。GANTZは機械100%ではなく、人間の神経系や代謝系を活かしたシステムなのだ。
結末として、GANTZに玄野計が入ることで、星人の復讐に対する地球人の反撃は放棄された。GANTZに巻込まれた人たちの生は戻されたが、もう、GANTZによる地球に侵入した星人の撃退活動は行われない。
恐らく、地球人は星人の大きく激しい攻撃を受け、滅びて、地球を星人にあけ渡す日が来るのだろう。それでも現世の人たちに繰り返される苦行を強いることの方を止めた。それが玄野計が行ったことだ。