【非行少年たち】
ルイス・ブニュエル監督の1951年のメキシコ時代の作品
〈あらすじ〉
メキシコ・シティのスラム街に住む貧しい子供たちのボスだったハイボが、感化院を脱走して街に戻って来た。 不良仲間でありながらまだ悪に染まり切っていないペドロは、母の悲しみを知りながらも、盲人を痛めつけて金を奪い取るなど犯罪を続けるハイボたちにつき合っている…。
〈所感〉
80分と短い作品ながらも、メキシコの貧困街の負の連鎖を描いた、リアリズムに溢れた重たい内容の作品だった。最近見たブニュエル監督の遺作の『欲望の曖昧な対象』のファンタジックな雰囲気と比べて非常にギャップを感じた。当時のメキシコを鋭利な刃で抉りとった強烈なショットの数々に腰砕けになってしまう。ハイボがクソガキすぎて、根は善人のペドロのような少年にまで悪い流れが波及しているのを見るのが辛かった。生きることはなんて痛い行為なんだ、と実感せざるを得ない。ただ、キツイだけで内容的にはあまり快いものではなかった。どうでもいいが、昔のメリーゴーランドって人力だったのね。笑