KAKIP

ニッケルオデオンのKAKIPのレビュー・感想・評価

ニッケルオデオン(1976年製作の映画)
3.4
記録用
ピーター・ボグダノ・ヴィッチ監督作品。

1910年代アメリカ。主人公ライアン・オニールは弁護士であるが映画会社社長に気に入られ未経験ながら映画監督をすることに。しかし大手の圧力があり、、。

「ペーパームーン」でお馴染みのピーター・ボグダノ・ヴィッチ監督で主演も同じライアン・オニール。そしてテイタム・オニールの親子。
ここの親子のその後の確執は一旦置いといて今作の主役は演者以上に黎明期の映画製作現場の幸福感だろう。

題名におけるニッケルオデオンとはニッケルでできた5セント硬貨でオデオンとはギリシャ語で劇場だ。
つまり安価の映像娯楽施設だ。当時の映画は今のように豪華でエンターテイメントに溢れたものではなく例えるなら動画サイトのショート動画のような時代だ。

そこで現れたのがD・Wグリフィスをはじめとする伝説の巨匠たちが生み出す名画たちだ。特に今作へ登場する「國民の創生」へのリスペクト、そしてこの時代に登場したからこその強烈なパラダイムシフトだったのだろう。そのことが製作現場からの視点で追体験できる。

「國民の創生」は今でこそ人種差別的表現で敬遠するアメリカの評価もあるが現代にとんでもない影響を残したことをこの映画を呼び覚ましてくれる。
そして試行錯誤しながら作られる映画製作の愛も存分に堪能できる楽しい映画です。
KAKIP

KAKIP