◆あらすじ◆
研究生のサラ・マンディは博物館の副館長とともに墓地で発掘された遺品入れを調べるために開封する。しかし、その遺品入れは邪悪な魔女の遺物であり、開封したことにより魔女たちが現代に解放されてしまった。サラは副館長が突如現れた何者かに殺されたため、博物館に逃亡するが、警察に殺人の容疑がかけられる。サラは警察や何者かに追われる中で、事態の解明に動くのだが...。
◆感想◆
邪悪な魔女を解き放ってしまった女性がその事態を解明しながら自らの出自や能力を知っていくストーリーとなっており、人の殺傷シーンの残酷さが際立った作品となっています。
主人公のサラ(アーシア・アルジェント)は博物館の研究生で偶然、墓地で発掘された遺品入れの調査を手伝ったことで、邪悪な魔女を解放してしまいます。サラが現実主義でオカルト的なものを信じない性格のため、人知を超えた事態が引き起こされたことで常にパニック状態になっていて、彼女のどうしてよいか分からないという心情が良く伝わってきました。
邪悪な魔女の解放により、博物館のあるローマの街は殺人や暴行、自殺が横行していきます。しかし、映像的にはこじんまりとしたものになっていて、かなり凶悪な事態にもかかわらず緊迫感があまり伝わってきませんでした。
ストーリー途中から、サラに特別な力があること、そこには彼女の出自が関係していることが判明していきます。ご都合主義的な展開ですが、どっちにしろ事態を収拾できる人物が現れないとストーリーが締まらないので、なんとなく納得できました。
ラストもこじんまりとしていて、世界を脅かすようなスケールの大きさは感じませんでした。
本作では人体を切傷して、内臓を取り出したり、食したりする残酷描写が多くあるのですが、他のシーンが極めて静的であるため、残酷な描写が作品から浮いていたように感じました。残酷な描写もそこに至るまでのシーンがしっかり恐怖を引き立たせるものになっていないと、描写の良さが活きないように思います。
スケールの大きなストーリーと映像としてのスケールの小ささが相反していて、作品としての面白さが薄いように感じました。ローマ全体を血まみれにするぐらいの描写が欲しかった気がします。
鑑賞日:2024年12月10日
鑑賞方法:U-NEXT