HicK

マイティ・ソーのHicKのレビュー・感想・評価

マイティ・ソー(2011年製作の映画)
3.6
《「地球初めまして」のコメディーが救ってくれた》

【コメディー】
1作目からこんなにコメディー多かったっけ?と思った。多分フェーズ1で1番多い。ソーの「地球初めまして」コントがめちゃくちゃ面白い。何も知らない御坊ちゃま感がたまらない。「庶民の皆さんこんにちは」で一本映画を作って欲しいぐらい(笑)。ペットショップで「馬をくれい!」はねぇよ、売ってねーよ(笑)。今作は「キャプテン・マーベル」鑑賞後に見直したけど、彼女の既視感の理由が分かった。「無敵」と「地球初めまして」は今作の要素そのもの。さらに「キャプテン・アメリカ」も「現代文明初めまして」なので、シリーズ見てくと結構デジャヴ感が続く。でも悔しい事に鉄板。

【トム・ヒドルストン】
そんな展開の中でロキ役のトム・ヒドルストンが1人だけかなり繊細な演技をしていたので、すごく目立っていた。涙交じりの表情に憎しみや劣等感が溢れ出たしていた。同じ作品のキャラクターか!?と思うぐらい。素晴らしかった。彼がソー役のオーディションを受けていたらしいけど、いやいや、かなり役得。

【I'm Worthy】
ソーが「相応しい者」になる理由としてジェーンへの愛もそうだけど、今まで対等な人がいなさ過ぎて視野が狭かったんだろうなぁとも思ったり。地球に来て導いてくれる人間たちに会い、生まれて初めて身分に関係無く友情を築き尊重を覚えたソー。それがジェーンをはじめ、人への愛となって戦う動機が「倒したい」から「守りたい」に変わり自己犠牲の精神が芽生えたのかな。機転の描写は少ないけど、ソーたちの関係性を見ると納得する。そんなオーディンの荒療治(笑)。そして段々醸し出してくるソー(ドナルドくん)の婿養子感とセルヴィグ博士の義父感。婿として受け入れてもらって、家を守る覚悟が湧いてきたのかもしれない(笑)。

それにしてもオーディン夫妻は子育てに苦労されてるようで(笑)。ワガママな長男とひねくれた次男…。めちゃくちゃ説得力ある関係性。

【ちょっとこれ見たかった】
ただ、ラウフェイあっけなかったなー。息子に殺されるって、広げようとすればちょっとドラマにもなったと思うけど、テンポが崩れるかな?見てみたかった。

あと、ロキしか知らない抜け道って、多分次作でも活かしてるんだけど、どうやって行き来してるのかも今作で知りたかった。結構重要な設定だったので、今作だけ見てしまうとモヤる。

【総括】
公開当時、名前覚えるのが大変だなぁと思った記憶があり、その神話の世界観にもともと興味が薄い方なので、それが理由でハマれなかったのかもしれない。見返しても序盤の掴みはやっぱり乗りきれないが、中盤のコメディーが面白く、結局最後まで楽しめた作品だった。

「ウィンター・ソルジャー」で裏切るシールドのメガネハゲの人も出てた事に驚いた。
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