【ヴァンパイア映画のススメ】
『アンダーワールド』(2003)

◆本作のポジショニング
　 　　 人類 ←←← (捕食)
　　 　 ↓　　　　 ↑
狼男族 ←← (変異) →→ ヴァンパイア
↓　　　　　　　　　　 ↓
(反抗) →→→ (抗争) ←←← (征伐)

〈見処〉
①人知を超えた「アンダーワールド」
　種族間で繰り広げられる
　漆黒の千年戦争！
・『アンダーワールド』は、2003年制作のアクション映画。
・本作の舞台は、現代の人類の知らぬ裏社会。1000年にも及ぶヴァンパイア族と狼男一族(ライカン)による、血で血を洗う全面戦争は、ヴァンパイア族の勝利に終わろうとしていたが、ヴァンパイア族でライカンの処刑人であるセリーン(ケイト・ベッキンセール)は、不審な動きをするライカンが追跡していた、青年マイケルと出会う。
・マイケルは両種族の始祖コルヴィナスの血を引く人間で、ライカンは、強い血統を持つ彼を両種族初の混血種にさせ、ヴァンパイアへの反撃を狙っていた。
・人間との接触を禁ずる掟を破ったセリーンは、指揮を仰ぐべくヴァンパイアの長老ビクター(ビル・ナイ)の封印を解く…。
・本作は、ヴァンパイアとライカンの壮絶な闘いを軸に、ヴァンパイアのヒロインと人間の青年との禁断の恋を描いたホラーアクション。本作と第３作で黒人大男のライカン、レイズを演じたケヴィン・グレヴィオーが、吸血鬼や狼男という伝統的な題材を大胆な科学的なアプローチで創作したストーリーを、監督デビュー作品として、MTV界出身の鬼才、レン・ワイズマンがメガホンを取っている。

②ケイト・ベッキンセイル
・本作の主演を努めるケイト・ベッキンセイルは、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮の『月下の恋』(1995)年で映画デビュー。28歳のときにマイケル・ベイ監督作『パール・ハーバー』(2001)で、ハリウッド大作のヒロインを務め、トップスターの仲間入りを果たす。
・2003年に公開された本作では、初の本格的アクションに取り組み、女性的な配役が多かったベッキンセイルにとって、細身のボディースーツを身に纏った新境地により、新たなファンを獲得。2002年に『ヒーロー・マガジン』誌で「イングランドのナンバー1美女」に、2009年の『エクスワイア』誌で「最もセクシーな女性」に選ばれている。
・本シリーズは、第１作(公開時30歳)から第５作(43歳)まで、ヴァンパイア並みの「不老」にて容姿が変わらず、セリーン役を演じている。
・また、ケイト・ベッキンセイルにとって、本シリーズは私生活の面でも転機となっている。本作でライカンのリーダー、ルシアンを演じるイギリス人俳優のマイケル・シーンとの間に、1999年1月出産の長女を持つが、2003年の本作撮影後に破局。ほどなく、監督のレン・ワイズマンと本作公開前の2003年6月に婚約、2004年5月に挙式を迎えている(2016年に離婚)。本作の撮影の裏側でも、色々な抗争があったようだ。

③結び…本作の見処は？
ケイト・ベッキンセイル、30歳。
○: レン・ワイズマン監督による、画面をブルーに基調したゴシックな世界観は、まさに「アンダーワールド」に相応しいものとなっている。
○: ケイト・ベッキンセイルによる二丁拳銃アクションは、クールビューティーな彼女の当たり役となる。
○: 本作でヴァンパイアの長老を演じるビル・ナイによる不穏な佇まい。本作と同年に公開された『ラブ・アクチュアリー』の中年ロッカー役とのギャップが楽しい。
○: 回想録を交えて、1000年に及ぶヴァンパイアとライカンの抗争を丁寧に描いており、以降の本シリーズに繋がる流れをスムーズにしている。
▲:『マトリックス』や『ブレイド』に酷似なアクション描写と、『バイオ・ハザード』によく似た作品設定にて、既視感を感じる作品となっている。
▲: 本シリーズのヴァンパイアは、身体的な優位性が少なく、ただの歩兵扱いのキャラも多い。また人類のキャラクター登場が極端に少なく、人類⇔狼男でもストーリーが成立しそうなほど、ヴァンパイアの設定が存分に生かされていない。

• #ヴァンパイア映画のススメ

オオカミ人間のライカン族とバンパイア族の戦いを描いたアクション作品。
ケイト・ベッキンセイルが主役のヒロインを演じ、スコット・スピードマン、マイケル・シーンらが共演。　

共存を願うオオカミ人間のライカン族と彼らを根絶やしにしようとするバンパイア族。
バンパイア族の女戦士のセリーン（ケイト・ベッキンセイル）は、ライカン族の処刑人。
セリーンはライカン族が人間の青年医師（スコット・スピードマン）を追いかけていることを不審に思い、彼に近づく。
しかしライカン族の襲撃をうけ銃撃戦になる。
青年医師を助けることはできたが、彼はライカン族に肩を噛まれてしまう。
青年医師はなぜライカン族に狙われたのか？彼の運命はいかに？

オープニング早々から地下鉄を舞台にライカン族とバンパイア族の二つの種族の迫力あるバトルシーンで始まる。
バンパイア族の女戦士を演じたヒロイン役のケイト・ベッキンセイルが魅力的で、二丁拳銃によるアクションシーンがカッコいい。
VFXで描いたライカンのオオカミ人間への変身シーンも楽しめます。
共存を望むライカン族でなく、好戦的で相手を絶滅させようとするバンパイア族を中心にストーリーが展開するのがいかにもアメリカ的。
アメリカ人はもともとアメリカに住んでいたオオカミを絶滅させたことが思い出さる。
現代の闇に生きるバンパイア族とライカン族の確執を描いたダークファンタジーの世界観が興味深く、シリーズ化されたのも納得です。

2022.12　地上波テレ東で鑑賞（午後ロード・吹替：日笠千晶 訳）
2022.12　BSフジで鑑賞（サンデーシアター・吹替）
2022.7　BSフジで鑑賞（吹替）

• #バンパイア一族の長の復活
• #紫外線弾
• #硝酸銀の弾

吸血鬼vs狼軍団

・全然銃当たらなくて大惨事
・銃で底抜いちゃう
・濡れまくり
・全然ヴァンパイアらしい戦い方ではない
・顔スラッシュ斬り

スタイリッシュでゴシックな作風。
元々は一つの種族だったものの争い。
一度優位に立つとその立場を守るためにどんどん卑劣になってゆく。
自分たちがまいた種を恐れて、滅ぼそうとし、正当化する。
これが戦争なのでしょうか。
てか狼男着ぐるみって凄いよなぁ。
テーマ的にはダークだけど、グロ過ぎず、怖すぎず、ストーリーもしっかりしていました。