素晴らしすぎる。
この世に存在してきた全ての映画の中でも、かなり上位にくるであろう作品に思う。
デイヴィッド・リンチ監督が、どれだけ研ぎ澄まされた、本物の感性を持っているのかが良く分かる一作。
かなり難解であり、一回観ただけで全てを理解できる様な作品では無い。
しかし、一周目から、その美しい映像や世界観の虜になってしまう。
言うなれば、起きている間に、夢の世界を味わえる感覚であった。
終始、こだわり抜かれた美麗な画面が連続する。
映画で表現できる美の、上限、最高点まで到達しているのではないかとすら思う。
ここまで美しい画は観たことが無かった。
画だけでなく、内容も見事で、ラストの盛り上がり方は尋常では無い。
途中に入る、かなり長いワンカットも印象的。
映画が終わった時は、凄すぎた、という思いと、もう終わりか、という思いが湧いた。
百四十五分と、映画にしては長めの尺なのにも拘らずである。
良い夢を見ていた時に、途中で起きてしまった様な感覚だった。
永遠に、今作の幻想的な世界観に浸り続けたいと思ってしまう。
それ程、今作の編み出す美に浸かる事は、心地が良いのだ。
文句なしの五点満点を付けられる程の、非常に素晴らしい映画であった。