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春の雪のRIOのレビュー・感想・評価

春の雪(2005年製作の映画)
4.6
「今 雪がここへ…」
音もなく舞い降りる雪
この世を離れた美しさが心に残る

大正時代の美しさ
遠ざかりゆく日本の雅
それを象徴するような赤い色

人の定めを美によって表現してる
どうしようのない定め
何もかも存在の摂理に叶った美しさ
清顕はその手に入らないものにこそ恋焦がれた
それとも悠久な大義とでもいうのか
そこに懐疑心はなく
信じて信じた その先
大切なのは現象そのものではなくて
それが示唆している意識層
霊力宿る 阿頼耶識

不可能性に賭けた限定される自分の意識
絶対的な何かを期待して
超人間的な行為に等しい
この世における観念に挑むかのような反骨

非存在である清顕と聡子
終わらせるべき現実 
別れるときが訪れるまで
全知へ還る 

まためぐり逢うまで

瀬を早み岩にせかるる瀧川の 
  われても末にあはむとぞ思ふ 
崇徳上皇


宇多田ヒカルの歌声も良かったね

やっぱり「外科室」の方がぐいっと上です
こちらはヒネリが入っている

三島由紀夫の言葉は美しい
原作はやはり超えてないけど
映像が素晴らしかったです
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