滝和也

トワイライトゾーン/超次元の体験の滝和也のレビュー・感想・評価

3.7
ウルトラQや世にも奇妙な物語
がオマージュを捧げる
元祖SFTVドラマを
時代の寵児だったスピルバーグ
を筆頭に80年代を彩った
名監督たちがリメイクした
オムニバス・ムービー!

「トワイライト・ゾーン/超次元の体験」

ティリリリ♫ティリリリ…と僕の耳に聞こえる、皆さんにもお馴染みの?あのテーマソング。50年代から60年代にかけて放送されていたSF番組トワイライトゾーン。僕は確かこの映画で存在を知ったのですが、特撮の神様円谷英二さんもこれを見てウルトラQを作成したとか。途中で完全に怪獣ものになっていきましたが…。イメージ的に今もやってる世にも奇妙な物語はモロにトワイライトゾーンかなと思います(より和風ではありますが)

この作品は当時の尺である30分枠を意識して構成され、4人の監督が新作もしくは当時のリメイクで作ってます。

一本目とお話の枕部分はジョン・ランディス。テーマは人種差別。人種差別主義者の白人男性がナチスドイツ、KKK、ベトナム戦争と各時代に差別された側で放り込まれると言うかなりストレートかつ手荒な内容(笑)故に内容もかなり覚えていて…更に今見てもアメリカのトランプ支持者のプアホワイトなんかは変わってない気が…。加えて主役のヴィック・モローがこの作品のヘリ墜落事故でなくなってるんですよね…故に一番覚えてましたね。(上手く編集され、そのシークエンスはカットされてます)

二本目はスピルバーグ。老人ホームの心温まる話。トワイライトゾーンは確かに怖いばかりでなく、こんな話もあったんでしょうね。童心を忘れないスピルバーグらしい作品。何となく後に彼が「フック」を撮るのがわかりますね。

三本目がグレムリンのジョー・ダンテ。これが一番忘れてた…。カートゥーンアニメ的な世界でしたので確かに後にグレムリンはわかる気がします。子どもが怖いパターンの奔りですが。

四本目はジョージ・ミラー。はいお馴染みマッドマックスの。ただ…この作品は監督というより圧倒的にジョン・リスゴーの顔芸が凄い(笑)ほぼ彼の一人舞台。ただ航空機の乗客が翼にゴブリンを見る話なんですが…リスゴーさんのおかげで覚えてましたよ(笑)

飛び抜けて特撮がすごいというわけではありませんが、SFというのはつくづくセンスやアイデアだなと思わせてくれる作品です。80年代のエンターテイメント重視の時代故の豪華な監督の共演でもあり、才能や個性が出てますので楽しめると思いますよ。
滝和也

滝和也