実在した新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルに、新聞王の半生を描いたヒューマンドラマ。
新聞王ケーンがスノードームを握りながら「バラのつぼみ:Rose bud」という言葉を残して他界した。
彼の半生を映画化するにあたり、「バラのつぼみ」の意味を調べるために、ケーンの元妻など生前の関係者らに聞き取り調査が行こなわれる。
彼の新聞王としての人生は、”ミセス・ケーンの宿”を営む夫婦のもとに、後見人の銀行家が少年ケーンを引き取りに訪れるところから始まる。
ある雪の降る日にケーンがそり遊びから帰ってくると、突然両親から見ず知らずの後見人に引き取られることになったと告げられる。
後見人のもとで、25歳になったケーンは莫大な資産を受け取り、買収した小さな新聞社「インクワイラー」の経営に乗り出す....
作品冒頭はオカルトスリラーチックな映像で始まり、ワクワク感が高まり作品に引き込まれる。
政治不信や不正、スキャンダルなどに対するメディアの重要性が描かれている。
ケーンが集めた美術骨董品と同様に保管されていた幼少期の想い出の品の数々は、彼にとっては何よりのお宝だったのでしょう。
大富豪であっても幼少期の想い出を大切にしていたのが心地よい。
盛りだくさんの内容が詰まった秀作です。
本作品は映画史に残る名作として高い評価を受けており、聞き取り調査をもとにした回顧を主軸とした構成は、当時としては斬新で、様々な撮影技法も革新的。
英国映画協会が10年ごとに選出する”オールタイム・ベストテン”(The Sight & Sound Poll of the Greatest Films of All Time)では5回連続で第1位に選ばれ、AFI選出の”アメリカ映画ベスト100”でも第1位にランキングされている(Wikipedia)。
2021.6 NHK BSで鑑賞(BSプレミアム・字幕)
第14回 アカデミー賞で脚本賞を受賞(1942年)