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市民ケーンのマッシュのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
4.5
読売新聞グループ代表取締役主筆の渡邉恒雄氏が98歳で死去した。

「メディア王の死」と聞くと、誰もが本作を思い出すだろう。オールタイムベストで1位に選出されることも多い、映画史に残る不朽の名作(傑作)である。

斬新な映像表現と時間軸を行き来するストーリーテリンング。そして、全編を通して語られる、メディア王が死の際に呟いた「薔薇の蕾」という謎の言葉の意味。

渡邉恒雄氏にも、その権力を築く原動力となった「薔薇の蕾」は存在したのだろうか。
読売巨人軍のオーナーも務めていた渡邉氏だが、一部で、3位以内に入れば日本シリーズへの出場権を得るチャンスを残す「クライマックスシリーズ」は、チームの不振から渡邉氏がゴリ押ししたという都市伝説があるが、これはデマらしい。渡邉氏が亡くなった今年、巨人は4年ぶりにセ・リーグ優勝を果たしたが、クライマックスシリーズで3位のDeNAが下剋上で日本シリーズに進出し、そのまま日本一となった。

下剋上といえば、東京都知事選で石丸伸二氏が蓮舫氏を抜いて2位となり、不信任案が可決され失職した兵庫県の斎藤元彦知事が再選を果たし、SNSの影響力から「オールドメディアの敗北」などと言われた。
そんな2024年を締めくくるような渡邉氏の死は何を象徴しているのか。

とはいえ、映画界には希望もある。本作の製作当時、オーソン・ウェルズは25歳。公開時は27歳だったという。今年、日本映画界に「ナミビアの砂漠」という傑作を送り出した山中瑤子監督は現在27歳。彼女こそこれからの映画界に大輪の花を咲かせる「薔薇の蕾」ではないだろうか。
褒めすぎだろうか。
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