記録用
ラース・フォン・トリアー監督作品。
黄金の心三部作の2作目。
障がい者を装い社会を挑発する集団「イディオッツ」。男女数名で構成されており共同生活を送っている。それを目撃した女性は最初は怒りが湧いてくるが交流の後その集団へ入ることとなり、、、。
この集団の目的は人間の偽善を暴くことにあり一連の運動を起こす。そして自分たちは「善」であることを証明したい。
しかしある時揉め事が起きた時リーダーの疑問が膨れ上がり本当にこれは「善」なのかと、、、。
それを証明するためある試しごとが行われるがメンバーは誰一人達成できない。
そこで逆説的に自分たちの「偽善」が露呈してしまう。
メンバーの大半は自分たちが嫌悪している中流階級のインテリであり自分たちが社会の「善」であると思い込んでいる皮肉。
全員去るが全員帰る家庭や社会的地位がある居場所がある。
そこで最後に加わった女性が「偽善」の集団で学んだことを実践するが彼女に帰るべき場所は存在せず本当の苦しみを持ったものは一番救われないという社会の縮図提示される。
その苦しみは「子供を失う」という人を壊してしまうほどの爪痕。
これはトリアー作品で何度も繰り返される。
こういった話をドグマ95に則ったドキュメンタリー映像の様に撮影され前作の寓話的な展開とはまた違った顔を見せる。
黄金の心とは「善」であるが今回は「偽善」に着目することによりある意味三部作の中で救いがないのかもしれない。
それ以外にも今作の延長で北欧でのポルノ産業への尽力もあり女性用ポルノの先駆けとなりそちらの方面での貢献もある作品であった。