るい

都会のアリスのるいのレビュー・感想・評価

都会のアリス(1973年製作の映画)
3.9
母親においていかれた女の子と、仕事がうまくいかない青年との擬似親子的なロードムービー。

ヴィム・ヴェンダース監督の作品は「PERFECT DAYS」が初めてで、他には「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」を教えてもらって見ました。こちらも良いよとおすすめいただいた作品🙏✨

仕事に行き詰まりドイツに帰るつもりだったフィリップ、しかしストライキで飛行機は飛ばない。横にいた英語が苦手だという女性もドイツへ行けず困っている様子。彼女は子連れだ。とにかくドイツへ近づくため皆でアムステルダムへ向かう事にした。

しかし、ここでトラブル発生。アリスの母親が突然失踪してしまう。仕方なくフィリップはアリスを連れて飛行機に乗ることにする。

という、すごく不思議な関係のアリスとフィリップがあちこちの街を訪れて少しずつ交流を深めていく物語。

親子でもないし、兄妹でもないし、ましてや恋人でもない、完全なる他人だけどそんな風にも見えないこの雰囲気。ちょっとアンニュイな感じがたまらない。アリスも子供だからその場の気分で動くし、フィリップもできた大人ってわけでもないから自分本意で動く時もある。

でもこの距離感とスピード感が心地よくもあって、後半の証明写真や体操のシーンなんてニコニコしながら見てしまう。この旅の終わる頃、フィリップはきっと良い記事がかけるようになったよね。
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