最近、「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」を続けて観てこの映画を思い出したので、忘れぬうちに書き留めておきます。
この映画には作家の笹沢左保先生が出演しています。主人公の少女の父親で作曲家役。
最近イタリア映画の音楽を担当して帰国したらしい。そして久しぶりに愛娘に会った時の最初の言葉が、
「モリコーネよりゴキゲンだって、レオーネにほめられたよ。」
今こそレオーネ監督も巨匠として本来の価値を認められていますが、この映画が公開された当時はどうでしょう。まだ今のように公認された巨匠ではなかったんじゃないかな。
映画ファンの友人に「好きな監督は?」と聞かれ、「セルジオ・レオーネ」と言っても共感してくれるやつはおらず、理解は得られませんでした。私の周りだけかなあ。
そんな時代にいきなりこのセリフが出てきたので、もうほんとに目が覚める思いでした。
少女タレントを集めた前衛的ファンタジー映画ですよ。フランシス・レイとかクロード・ルルーシュを持ち出すならわかります。それがモリコーネにレオーネ!
しかも「レオーネにほめられたよ」ということは、この時代に大林監督はレオーネを巨匠的存在として認めていたわけで、「この監督凄い。俺は正しかったのだ。仲間だ。」と思ったのは当然でしょう。単純ですが。
この映画はリアリティもヘッタクレもない破天荒なファンタジー映画です。しかしこの笹沢左保先生の一言で「あ、映画の中の人たち、俺と同じ空気吸ってる!」と、妙なリアリティを感じさせてくれました。
そういうわけで、今だにモリコーネとレオーネというと、まずこの映画を思い出してしまうのであります。
追伸
以上、77年公開当時に観た記憶で書いてますが、笹沢左保先生にこのセリフあったかな、自信なくなってきた。なかったらすみません。
いや、確かにあった!