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必死剣 鳥刺しのぉゅのレビュー・感想・評価

必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)
3.8
2024年 鑑賞 24-215-58 [12-14]
BS日テレ シネマ にて
藤沢周平先生の短編時代小説「隠し剣」の一編「必死剣 鳥刺し」を原作に、「学校の怪談」「魔界転生[2003]」等の平山秀幸監督による、東北の海坂藩では、藩主の右京太夫(村上淳さん)の愛妾である連子(関めぐみさん)が藩政に口を出し、よからぬ影響が拡がっていた。止める者がいないまま連子が増長していく中、最愛の妻睦江(戸田菜穂さん)を病で亡くしたばかりの、物頭の兼見三左エ門(豊川悦司さん)は死に場所を求めるかのごとく独断で連子の刺殺を敢行し、極刑を期待していた三左エ門に意外な処分が下る時代劇作品。

ー 名作時代小説メーカー藤沢周平先生らしさ満載の時代劇映画 ー
「隠し剣 鬼の爪」「武士の一分」は個人的に好きな時代劇作品。言わずもがな原作は名作時代劇映画をたくさん生んできた藤沢周平先生だが、この作品も同じ短編集の一編と知ってから観るか?観てから知るか?どちらがいいのでしょうね... 私はもちろん前者となってしまったが、両方のご感想待ってます。

能と拍手の広がり方への違和感、三左エ門の行動と藩主の右京らたくさんの人の前での連子の殺害、「御面倒おかけします」とタイトル、三左エ門の罪 軽くね?、三左エ門の妻の姪里尾(池脇千鶴さん)の世話係と三左エ門&妻の睦江との回想シーン、高飛車連子の振る舞いと勘定方の切腹、回想シーンと鳥刺しと睦江の死、三左エ門の家閉門の終了と「難儀をかけたな」、お風呂のシーンが沁みる、回想シーンと藩の農民たちの一揆と大人数の打ち首、二年後と三左エ門の出世と中老津田民部(岸部一徳さん)のある思惑、里尾見合いと福田転球さんだっ!、三左エ門は剣の達人と “必死剣 鳥刺し” とは?、三左エ門の里尾への気持ちと彼女の彼への気持ち、風呂場のシーンはやっぱり沁みると個人的に感じたのは... 鏡のシーンは志津子?(「リ●グ」のあのシーンに見えてしまう)と... 、大降りの雨と帯屋隼人正(吉川晃司さん)の謀反と三左エ門 対
隼人正、襖の血と隼人正を退けた三左エ門だったが... 、乱心者と真の黒幕と必死剣 鳥刺し、赤ん坊と「今日もいらっしゃらなかったね」と夕陽。

まさに藤沢先生らしい時代劇作品。らしさも感じた。特に池脇千鶴さんの役が良かったし、彼女は時代劇や着物の合う女優さんだと実感。あと、空模様・雲・鳥・自然と四季を感じる風景が良かった。だが、声が小さくて聞き取りにくい(特に豊川さん)し、あの風呂場のシーンの後のまさかその展開に... あっこまで見せんでも良かったのでは... 直接的より間接的だと思うけどな... 作品のラストを観るとより思った。が、いい時代劇でした。

「兼見三左エ門 本日より近習頭取として お傍にお仕え致します」

「私が居ては迷惑なのですか?」「迷惑などと言っておらん だは今後を考えれば このままではしててはおけんと」「それならば... このままおいて下さいまし おじさまの側に居たいのです いつまでも」

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