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エイリアン2のワンコのレビュー・感想・評価

エイリアン2(1986年製作の映画)
5.0
【増殖/ジェームズ・キャメロン/エイリアン祭④】

※最新作「ロムルス」公開前に、映画「エイリアン・シリーズ」をふたつの前日譚から長い物語を時系列に観返した。

この「エイリアン2」は、前作のSFホラー感から一転、SFアクション作品となる。

そして、「ターミネーター」で一躍注目を浴びたジェームズ・キャメロンが監督として指揮を取るのだが、実は「T2」に繋がるヒントのようなものも感じられる作品だ。

単純なバトルアクションに落とし込まないためなのか、リプリーのたったひとりの生き残り少女ニュートとの出会いは母性を目覚めさせたようでもあり、覚醒したようにエイリアンたちに立ち向かう姿は、ジョン・コナーを守ろうとする「T2」のサラ・コナーを彷彿とさせる。

そして、前作の静的な戦いから動的な戦いを繰り広げることにもなる。母は強いのだ。

僕の大学や友人が、「スターウォーズも、ターミネーターも、エイリアンもツー(2)だよね❗️、ツー‼️」と主張していたのを思い出す。

また、ターミネーター繋がりで、カイル・リースを演じたマイケル・ビーンも重要な役で登場するところは懐かしい。

また邦題に対して、オリジナル・タイトルは「エイリアンズ」で、多くのエイリアンとのバトル・アクションであることが伺える。

公開は「ターミネーター」の2年後、1986年。

世界は西側諸国とソ連を中心とした共産主義国の対立が続き不穏な空気が漂い、前半の宇宙船のクルーのバラバラで統率感のなさや混乱は時代を反映すると同時に、終盤の核の使用云々は米ソが核競争の真っ只中だったことも思い起こさせる。

作品は、リプリーが発見されるところからはじまるが、57年も経過していたという浦島太郎感も、アンドロイドの更なる進化もあって、再航海のストーリーがどのように展開するか、更にニュートの登場もあって、期待感は高まる。

この作品を好きな人が実はエイリアン・シリーズのコアなファンのように思うところもあるが、「獲物を蓄えるのは蜘蛛🕷️っぽいけど」女王エイリアンが登場して「えっ!?エイリアンは蜂🐝❓蟻🐜?」「働きエイリアンはいるの❓」みたいなジョークを言って友人と笑っていたことも思い出すSFアクション作品だ。

低予算だった「ターミネーター」に続いて、大きな予算でも面白い作品制作は出来るぞ‼️と、ジェームズ・キャメロンの才能が大きく進化した作品でもあるように思える

火炎放射器を片手に睨みをきかせるリプリーは、「ターミネーター」のサラ・コナー同様、アクション映画に強い女性キャラクターがこれからも登場することを予感させた。

女王エイリアンは、前作のエイリアンから更にアート感を高めた造形だし、幼生を焼き殺された女王エイリアンの怒り狂ったさまや、エンディングの執念というかしつこさも最後まで目が離せない。

モビルスーツ(?)も見ものです😁
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