愛に、打たれる…
マギー・フィッツジェラルドはプロボクサーとして成功し自分の価値を証明しようとロサンゼルスにあるフランキー・ダンのうらぶれたボクシング・ジムの戸を叩いた。
フランキーは、かつて止血係(カットマン)として活躍した後、トレーナーとなって優秀なボクサーを育ててきたがビッグ・チャンスを欲するボクサーたちに逃げられ続けていた…
ストーリーはこんな感じ。
ボクシング映画は好きで結構、観るんだけど、この作品だけはあんまり観たくない。
多くのボクシング映画は、色んな障壁に挫折しながらも最後は栄光を掴む…ってのが殆どだけど、この作品は、それとは真逆だから。観てて痛くて、切なくなる…
この作品の主人公マギーは31歳過ぎてからボクシングを始めプロボクサーを目指す。
まず、この歳でプロになろうって事は有り得ない話。そして自分の価値を証明する為にプロボクサーになるってのも分からない
で半ば強引にフランキーのジムにやって来てサンドバッグを叩いてる。正直、イカれてるとしか思えない…とフランキーも思っただろうな、最初は。
でも、みんなが帰ってからも黙々とサンドバッグをひたむきに叩いてる所を見て心が動かされていく。
そしてフランキーが直にマギーに教える様になると、マギーはメキメキ力をつけていき試合も連戦連勝して行く…
それにしてもマギーは可哀想だなぁ…って思ったかなぁ。試合に勝ち続けファイトマネーも結構、貰える様になるんだけど、そのお金を無駄遣いもせず母親に家を買ってやる、喜ぶ顔が見たくて。それなのに…
そんなマギーに"生活保護が打ち切られる"とか"健康保険が打ち切られて薬が飲めなくなる"と恨み節をぶつける、感謝の言葉もなく…
この母親、映画の最後の方にも出てくるんだけど、その時も最悪な事をするんだよね
とても親とは思えない事を…
そんな事を観てるとマギーにはボクシングがあってホント良かったと思えるんだよね
リングに上がる度にマギーを応援する大歓声を浴び、それに対して敵をノックアウトする所を見せられたんだから。唯一、自分を認めてくれた場所でもあったしね…
それだけに、ラストの展開は辛すぎるよね
フランキーが教会で独白するシーン辺りから涙が止まらんかったもんな…
因みにガソリンスタンドのシーンでマギーが手を振った少女はクリント・イーストウッドの娘のモーガンだそうです。