くまねこさん

殺しのドレスのくまねこさんのレビュー・感想・評価

殺しのドレス(1980年製作の映画)
4.0
「殺しのドレス」(1980年、ブライアン・デ・パルマ監督)をWOWOWで視聴、10年ぶり2回目。
冒頭以外全て忘れてたので、デ・パルマ監督一流のミステリーを楽しめた!

冒頭のスローモーションのシャワーシーン→突然の殺人に惹き込まれる。忘れられない程のインパクトがあった。これは明らかに「サイコ」オマージュだね。

レイプファンタジーを持った貴婦人ケイト(アンジー・ディッキンソン)がN.Yの美術館でゆきずりの男と出逢い、タクシーまでのシーケンスはスリリングかつエロティックでお見事。ほとんど会話なしに進む展開もよい。
情事後、男を残して部屋を出る際に目にした引き出しの書類!一気に恐ろしいムードに切り換えるテクニックも素晴らしい。

デ・パルマ監督お得意の双眼鏡映像、盗み見や警察署での盗み聞きも色々あり。サスペンス色を強める演出も確認できた。また、スプリット・スクリーンの登場もドキドキしてうれしい
ヒッチコック・オマージュも多数。

娼婦リズ役はナンシー・アレンって当時の監督の奥さんだったらしい。調べてみたら「キャリー」で主演のシシー・スペイシクをいじめる同級生役で出演してたのか…ほうほう。

殺された母ケイトの理工系息子ピーター(キース・ゴードン)の有能さも見逃せない。

驚きの謎解き…犯人はアレだったのか…こんな設定をよく考えたデパルマ監督に感心

主演で精神科医役のマイケル・ケインが若いので驚いた。執事役でしか見たことがなかったので新鮮。

円環構造で終わるラストもお見事でした。
夢でもうなされてしまうのね…。