masahitotenma

ソナチネのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
3.8
北野武の監督第4作で、脚本・編集・主演も兼ねる。
沖縄に助っ人として送られたヤクザが抗争に巻き込まれていく姿を、淡々としたリアリズムと乾いたユーモアを込めて描く。
撮影は柳島克己。
音楽は久石譲。
英題:Sonatine(意味:小さなソナタ)
(1993、94分)

東京の暴力団、北島組の幹部・村川(ビートたけし)は、組長から沖縄の友好組織・中松組が阿南組と抗争しているので加勢するよう命ぜられ、弟分の片桐(大杉漣)や子分のケン(寺島進)を連れて沖縄にいく。
ところが、到着早々阿南組に襲撃され、村川らは、中松組の幹部・上地(渡辺哲)や弟分の良二(勝村政信)と5人で海岸そばの廃屋へ隠れる。
さらに、若い女・幸(国舞亜矢)が村川と一緒に過ごすようになる。
やることもなく暇を持て余し、みんなで子どものようにはしゃいで遊んで過ごしていたのだが…。

~登場人物~
①村川組(北島組傘下)
・組長、村川(ビートたけし):北島組幹部。主人公。
・幹部、片桐(大杉漣)
・組員、ケン(寺島進)

②北島組
・組長、北島(逗子とんぼ)
・幹部、高橋 (矢島健一)

③沖縄の中松組
・組長、中松(小池幸次)
・幹部、上地(渡辺哲)
・組員、良二(勝村政信)

④その他
・マージャン店店主、金本 ( 水森コウ太)
・幸(国舞亜矢):村川とくっつく。
・幸を強姦する亭主(神田瀧夢)
・殺し屋(南方英二)

「ケン、やくざ辞めたくなったなあ。
結構、荒っぽいことやってきましたからね。
なんかもう疲れたよ」

「平気で人撃っちゃうのってすごいよね。平気で人殺しちゃうってことは、平気で死ねるってことだよね?
強いよね。私、強い人大好きなんだ。
強かったら、拳銃なんか持ってねぇよ。
でも、平気で撃っちゃうじゃん。
怖いから撃っちゃうんだよ。
でも死ぬの恐くないでしょ。
あんまり死ぬの恐がるとね、死にたくなっちゃうんだよ」

「また○○てくる?
もしかしたら。おまえ○ってるか?
もしかしたらね」

青(キタノブルー)や赤を際立たせた色彩と映像美。
久石譲の実験的な音楽。
無表情・無言による暴力シーン。
北野流"滅びの美学"。
「HANA-BI」と並ぶ北野流バイオレンス映画の頂点。
masahitotenma

masahitotenma