記録用
アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督作品。
地方の街へやってきたジェルマン医師。
医師として信頼も厚いが街に「カラス」を名乗る告発文が町中に溢れ返る。
人々は告発文の内容により疑心暗鬼になっていきジェルマン医師も不倫などで文章が出回り、、、。
まさに現代にも通ずる匿名の不確かな情報が世間に拡散されるとその情報を鵜呑みにしたり陰謀論を妄想したりと情報に踊らされ人を特定の誰かを傷つける歯止めが効かなくなる。
こんな恐ろしいことはホラー的演出にピタリ合い当時のドイツ占領下であればこれほど恐ろしいテーマはないだろう。
お互いを監視し合い中傷する世間に対するクルーゾー監督のささやかな抵抗であったのだろう。
物語的にはフーダニッドものとしても楽しめるがやはりドロドロの人間関係の暗部がモノクロの不安を煽る映像に溶け込むような気持ちよさがある。