CIAエージェントのFDR(クリス・パイン)とタック(トム・ハーディ)。ハインリッヒという国際指名手配犯が大量破壊兵器を入手するのを阻止するという任務についていた2人。2人は仕事のパートナーとして信頼し合っていたのだが、ローレン(リース・ウィザースプーン)という同じ女性を好きになってしまい、どっちがふさわしいかを争うことになるというストーリー。
このあらすじから分かるように、CIAとしての任務ははっきりいってどうでもいいのだ。ローレンをめぐる戦いの方が重要で、国際指名手配されているハインリッヒの立場がない。最終的にはハインリッヒが絡んできて戦うことになるが、簡単にやっつけてしまい、その前のFDRとタックの争いの痴話喧嘩の方がよっぽど迫力があるから笑える。
面白いのは、2人がローレンを振り向かせるためにあらゆるCIAの職権を乱用しまくること。カードの個人情報をみたり、盗聴、盗撮は当たり前で、家に監視カメラを設置しまくったり、GPSをフル稼働させたり、何かに付けては「祖国のため」だといって部下を従わせてローレンを監視しているのだ。
チャラ男のFDRと英国紳士のタック。FDRは愛を知らない軽い男で、タックは離婚し、元妻のもとに息子がいる状況。この状況からラストはどうなるかある程度予想はつく。2人の戦いにもルールがあって、2人の友情を優先して、お互い邪魔しない、セックスはダメ、などと協定をつくるのだが、ことごとく破られていくことが男の女性をめぐる必死さを感じて笑える。
スタイルの良さと青い瞳でワイルドな性格ながらも童顔なクリス・パインと、端正な顔立ちのとこれまた真っ直ぐな瞳が綺麗な英国紳士のトム・ハーディ。このイケメン2人があらゆる手段を使って言い寄ってくるので、女性は自分ならどっちにするかなんて考えたりして、楽しめると思う。
劇場版とエクステンデッド・エディションが選べるが、劇場版を個人的には勧める。
気軽な気持ちで楽しんで観れる映画。トム・ハーディのマッドマックスでの勇ましい姿がこの作品ではちょっと哀れに見えるのも面白い。