櫻イミト

白夜の陰獣の櫻イミトのレビュー・感想・評価

白夜の陰獣(1965年製作の映画)
3.0
原題「ラスプーチン、狂った僧侶」。クリストファー・リーが怪僧ラスプーチンに扮するハマー・プロの伝奇もの。監督は前年の「怪人フー・マンチュー」(1965)でリーと組んだドン・シャープ。

ロシア帝国末期の田舎村。ラスプーチンと名乗る怪僧が宿屋の主人の妻の病気を不思議な念力で治す。しかしその夜、宿屋の娘を誘惑し強姦しようとしたため怒った村人たちから教会に連行される。司教からの非難にも動じないラスプーチンは首都ペテルブルクへ向かい、街で出会った宮廷の侍女ソニアを念力でものにする。彼女を操り宮廷へ取り入ろうとするが。。。

映画のセリフ“野望と粗雑が同居した男”であるラスプーチンをクリストファー・リーが熱演している。ルックは本人の肖像写真とそっくり。コサック・ダンスを楽しそうに踊る姿はインパクトがあった。ドラキュラとはまるで違う特異なキャラクターで映画を引っ張るが、残念ながらシナリオが今ひとつ。野望の入り口に立ったあたりで最期を迎えてしまう。

ラスプーチンの最期の経緯は史実を辿っているが、全体的に大きく脚色が加えられているとのこと。興味が沸いたのでラスプーチンを描いた他の映画も観てみたい。
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