菩薩

女の香りの菩薩のレビュー・感想・評価

女の香り(1968年製作の映画)
3.5
ミルトン・セルツァーがずっとガースーにしか見えなくて、彼が笑う度に「何笑てんねん💢」と俺の中の怒りボルテージがMAXになり続けた(関係ない)。非業の死を遂げた女優の伝記物を撮るために発掘された彼女とクリソツの新人女優、そこに群がるハリウッドの亡者達と明かされる死の真相、そして辿る予め決められた最悪な結末への道。器ははなから用意され、名前もアイデンティティも剥奪されながらエルサはライラそのものへと変身していく。グロテスクなハリウッド内幕ものとしての印象を決定付けるラストが強烈、誰もエルサ自身の成功など眼中に入れず、皆が自らの渇望を満たす為だけに牙を剥き合い貪りあう。ブラジャー一枚で庭をお散歩し出す奔放さが謎であったが、そこで出て来る汗と脂でギットギトの庭師がめちゃくちゃアルドリッチ印で笑った、なるようになるキャラだがそこまでフューチャーされないのも意味深。台詞がいちいちカッコつけてる感じ、「映画が過去30年で生み出したのはバター味のポップコーンだけだ」やら「俺が作っているのはフィルムじゃない、ムービーだ」やら。
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