じぇいらふ

あるじのじぇいらふのレビュー・感想・評価

あるじ(1925年製作の映画)
4.9
『あるじ』

カール・テオドア・ドライヤーセレクション vol.2🎞②👞🧺

こういうのも作れるドライヤーの凄さ

この第2弾で一番観たかった作品。そして、、、想像以上に良かった、素晴らしかった✨
結構ドライヤー作品というと、勝手にちょっとお堅いイメージがありましたが、、、まさにそういうイメージを覆す、まさかのホームコメディ、まさかの現代的フェミニズム映画、、、つか普通に娯楽作品として観れるし泣ける😭。ドライヤーで一番ヒットした作品で、日本にも初ドライヤー上映作品だったらしい、、、この路線で娯楽作家になっても普通に成功したんじゃないか?と思われる。恐るべし!👍👍👍👍👍

サイレント映画ですが、、、音楽鳴りっぱなし、みんなしゃべりっぱなしで全然サイレントじゃない笑


🎞️朝~起きるのは妻、旦那はまだ寝てる~家事を始める~子供達も起き始めて家事にいそしむ~旦那まだ寝てる😅~ずっと慌ただしい家事のシーンが続く~旦那が起きるのに間に合わせるため?~はじまり

📖父母姉弟の4人家族。父ヴィクトルは、いつも妻イダをこき使っていばり散らして、家族にも恐れられている。お手伝いに来るお婆さんマッスは見かねて一計を案じ、妻を実家に返してしまう。妻が突然居なくなりヴィクトルは。。。というおはなし

⚠️ネタバレありです!

所謂、「妻を大事にしましょうよ」という教訓話といってしまえばそれくらいの単純なお話で、当時は溜飲下げた奥様方に受けてヒットしたんでしょうが、、、今まさに夫婦の家事分担を改善しましょう!働き方改革しましょう!の現在から観ると、、、驚くべき現代性先進性にびっくりします。ヴィクトルみたいな亭主は今もう少なくなった?、、、いやあモラハラ夫というカテゴリーならまだまだいるんじゃないでしょうか?
これだけ酷い目に遭っていても、夫をかばおうとする妻の精神的性とか、結構あるあるですよね

お手伝い、元乳母のマッスさんいいですよね。強い笑。マッスってマッツ・ミケルセンみたいですが🤣、、、なるほどデンマークっぽいのね
妻イダと違って、遠慮無く、ハムも牛乳もバクバク食べるのいいですね

妻いなくなった後、家事をやらされてその大変さを体験する夫ヴィクトル、、、洗濯おばさんという職業あるのね、、、この人にもこき使われる笑。おばさんはいつでもどこでも強いという世界標準笑

娘のカールが妻イダに似て、結構甲斐甲斐しいので、妻いない後結構この子の負担が大きくなりそうだなあと思ったらやっぱり😅妻も娘も良い子過ぎるよなあ。そこら辺、マッスさんのチェック入るさすが笑

結局は妻戻るし、まあ旦那もどこまで反省したか?とか実際はわかりませんが笑
最後の反省ポーズの件とか、時計の上手い演出とか、、、満足度高めの終わらせ方が上手い

ロッセリーニにも『殺人カメラ』とか、まさかのコメディ作品がありますが、
優れた映画作家って普段シリアスな作風でも、コメディ作らせると上手いですよね。
こういう作品あると、ぐっと親しみやすくなって映画作家好きになっちゃう

次回は、、、これまた全然作風違う『吸血鬼』🧛