楽しいノリで始まるコメディタッチのロードムービーですが、後半はガラッと変わりウクライナでナチスに迫害されたユダヤ人のシリアスな話になる。良作でした。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の原作者ジョナサン・サフラン・フォアによる小説を、俳優のリーヴ・シュレイバーが監督として映画化。イライジャ・ウッドがジャケット通りのルックスでした。
家族の遺品をコレクションしているジョナサンは、ある写真に亡き祖父と一緒に映っていた女性を探すためにウクライナへ。現地で同行する通訳のアレックスとその祖父とワンコとの珍道中が始まる…。
アメリカ生まれのユダヤ系のジョナサンとウクライナ人通訳アレックスとの会話が面白くて、サミー・デイビス・ジュニア・ジュニアというヘンテコな名前のワンコの存在も楽しい。サウンドがロマ音楽調なのもよかった。
後半は一変してウクライナの過去の悲劇が語られる。
「戦争は終わったの?」「終わった」というセリフがあったけど、戦争がまた始まってしまったウクライナの現実が過去と重なって余計に悲しい。映画『ひまわり』のような一面のひまわり畑が美しくも切なかった。
風景もいいし、細かいところまで丁寧に作られてる作品だった。ワンコの使い方も最高。帰国して空港で働く人がウクライナで出会った人の顔だったのが粋でした。
✴︎のんchanありがとう✴︎