『リトル・ダンサー』を諦めた私たちが観たのがこの作品。
これ、すごくよ良かったなあ。
劇場を出る時三人とも満足してた。
こういった出会いは幸せだ。
存在すら知らず、当然観る気もなかった映画。
でもそんな偶然出会った映画にも、良質で忘れ難くなる作品ってあるのよ。
中古レコード店を経営する30過ぎの独身男が、過去に味わった失恋ベスト5の女性を巡り、しだいに自分を得ていく物語。
主人公も含めたレコード店の店員三人がアホみたいな音楽オタクでさ。
月曜の朝に聞きたい曲トップ5のテープ作って来るとか、バンド名に「ザ」があるかないかにいちいち拘ったり、家のレコード棚の整理してるの見て「これって年代順? それともアルファベット順?」とか。
アホやん(笑)。
そもそも昔自分を振った女の子に会いに行くとか、普通やんないよ(笑)。
失恋ベスト5ってなんやねん。(笑)。
でも私、アホとかオタクって嫌いになれなくてね。
実際に会ったら面倒臭いしムカつくだけだろうけど、なんか純粋だし共感できるとこあるじゃん。
私も「いや、それ、ディズニーじゃなくてピクサーだから」とか言ったなあ。言ってるよ。面倒臭いなあ(笑)。
レコード、いいよね。
傷つくのを恐れて聴くとき極力動き回らないようにしたり、スマホのフィルム貼るときばりに埃に気を付けたりさ。人に貸す時かさばるし、そんなときのためにレコード店の袋捨てずに置いてたり。
でもあの針を置くときの緊張感とか、ブチっていうノイズもいいんだよ。
それがCDを経て今や配信ですよ。三次元の物質を介在させずデータのやり取り。便利だけど味気ないよ。
いや、映画もそうなってるんだけど(笑)。
でもそんなCDやテープから20年ちょいでこの変わりよう。
その時間の短さにちょいビビりましたね。
これ、洋楽好きな人が観たらもっと楽しめるんだろうなあ。羨ましい。
偶然に観た映画だからこそ、特別な一本になっているのかもしれない。
あ、万引きした奴の一人がジャイアンのシャツ着てたの、今回初めて気づきました(笑)。
カシワバラ、今頃どうしてるんだろ…。