taka

πのtakaのレビュー・感想・評価

π(1997年製作の映画)
3.9
コントラスト強めの粗いモノクロ映像は嫌でもイレイザーヘッドや鉄男を想起
なのである種のフェチ心をくすぐってくるカルト作
リンチのイレイザーヘッドやコーエン兄弟のバートンフィンクに今作と奇才監督の初期作はもれなくこういった変態性を曝け出してくるよねw

数学に取り憑かれ数字のみを信じる男マックス
裏で暗躍する株組織とユダヤ教グループの現実と神秘主義に振り回される
テクノロジーと有機物は相対するものでありながら自然界には無数の法則があり密接に絡み合い、216桁とヘブライ文字、アルキメデス、ピタゴラス、ダヴィンチなど様々なエッセンスが盛り込まれていた
何度かうとうとしてしまったので繰り返し見たら何とか理解できた気がする笑


フィボナッチ数列はニンフォマニアックで見たw
ユリーカ!と叫ぶのはインターステラーで見た
金属探知おじさんはロボットドリームズで見た
バグは文字通り蟻の侵入が原因だったり頭蓋に番地が割り振られてるのも面白い
コンピューターチップ=脳みそでありマックスが薬断ちをして覚醒したと思ったのだけどラストの意味することとは?
ある意味ハッピーエンドか

電子音使いが上手いクリントマンセルがこの頃から良い仕事してる!
ラスト、木の葉が揺れる映像に被さるウォーミーな電子音がフォークトロニカの様な温かみを感じた
当時隆盛していた電子音楽が多く盛り込まれる他、脳を貫く痛みなどはノイズミュージックで表現
乱雑にワイヤーが絡む自宅ラボが大量のシンセラックみたいで格好良かった
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