高倉健が本当に最高。
ストーリー
般若坂で浪人を討った宮本武蔵は、剣聖と呼ばれる柳生石舟斎宗厳と手合わせしようとするが、実現しなかった。そして、柳生四高弟と知り合いになるのだが、城太郎が柳生家の愛犬を殺し、高弟たちと対立してしまう。
主演 萬屋錦之介
監督 内田吐夢
「宮本武蔵」シリーズ第三弾!
すげー映画。
感心させられっぱなし。
物語自体はシンプルなのだが、前二作までの伏線が見事に一つに集結しようとする"予感"がたまらない。
剣に生きた男たちの物語を現代人の我々は知る由もない前提なのだが、侍という生き物が決して引くことのできない都合を、脆く、弱く、そして儚い美しさで描いてある。
どうして戦わなければならないのか?
なぜ逃げれないのか?
シンプルな問いに真っ直ぐな答え。
宮本武蔵以外のキャラクターが「宮本武蔵」に出会って"どう人生が変化したか?"それによって巻き起こる騒動や事件の時系列が面白い。
日本らしい"闇堕ち"や"精神崩壊"要素がある稀有な作品。
侍以外はほぼ人として扱われない時代に、宮本武蔵以外はなんとかその日暮らしをするしかなく、持って生まれた親兄弟のしがらみによって、身分に囚われ続け、逃げられないもどかしさと苦悩葛藤は痛いほど伝わるし、現代にも通ずるものがある。
まず、間違いなく言えることは
高倉健が最高。大優勝。
高倉健演じる佐々木小次郎が見事。
飄々としている様で殺伐とした空気感。
物語のトーンをガラッと変えれるその存在感。
まさに日本の宝。
恥ずかしながら、高倉健作品はヤクザ系しか見たことなく、今作が時代劇初鑑賞であったが、素晴らしい。
高倉健に釘付けである。
イメージの宮本武蔵と佐々木小次郎のキャラクター性が逆だったのは驚いたが、決戦に向けて少しずつ前進する物語の今後に期待大。