全然観る予定もなかったし、観たい映画はたくさんあるというのに、何故か鑑賞。
話自体は特筆すべきことは何もないのだけれど、若さの痛々しさが伝わってきて嫌いじゃない作品。人生で自分が一番メンヘラってたのは早熟だったせいか中学時代で、そこから徐々に下降していき、今やおっさんになったのだけど、そんなあてくしにも若き日にやらかした痛い痛い思い出は数々あり、そんなこんなを思い出しながら観るには十分痛みを伝えるパワーがあったわよ。
こんなクズ男、何の価値もない
と分別がつくということは大人になったということでもあり、もちろんそれは良いことでもあるのだが、人生の余白をなくしたことにも繋がると思う。ゆうこちゃんはギリまだ許される年齢だから、痛みを知り、抱えて頑張って生きていって欲しいと願ったラストなのだった。でも最後に歌った曲は同じユーミンなら「青春のリグレット」でも良かったな。ここに出てる若者はみんな、歳をとってからそれなりにこの歌詞の気持ちになると思うよ。
ナイスキャスティングだったのは、スナックのママに佐々木すみ江さんが配役されてたこと。この方の厳しさの中にある愛が感じられる演技が好きなの。『篤姫』の時も胸熱だったわよ。そうそう、忘れてはならないのは、スナック3人組のおっさんたち。きっとゆうこちゃんにとっても、他の鑑賞者にとっても心のオアシスだったに違いない。身近にあんな陽気なおっさんがいたらいいな〜と思った次第。