たま

マッチ工場の少女のたまのレビュー・感想・評価

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)
3.5
マッチの製造方法なんて、考えてみた事も無かったけど、なかなか壮大で繊細。

機械化されているから、人間が手を加えるのはほんのわずか。単調で退屈そうな仕事だ。

そんなマッチ工場で淡々と働く、女性イリスが主人公(少女じゃないよね)

家に帰れば、母と義父のために家事を担い、給料も差し出す。
(いつ見ても、フィンランドの食事は質素だ)

こんな生活に嫌気がさすのは当たり前。生き方を変えたいと、イリスは街に繰り出すも……

何をやるにもついてないイリス。
いい事なんて何一つない。世の中上手くいかない事ばかり。
それでも怒りを表現することも無く、ただただ無表情。
おまけにセリフも最低限という感じ。

これもコメディと呼ぶのだろうか?
カウリスマキ作品の、クスッととかニンマリするような要素は無い。

無表情のまま、イリスはある行動に出るけれど……

まあ、最後はそうなるよね。
それでも、イリスは淡々としていて無表情。と言うか、むしろ堂々としている姿が妙に清々しい。

悲壮感も罪悪感も一切無し!
これぞコメディなのか!?
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