マッチの製造方法なんて、考えてみた事も無かったけど、なかなか壮大で繊細。
機械化されているから、人間が手を加えるのはほんのわずか。単調で退屈そうな仕事だ。
そんなマッチ工場で淡々と働く、女性イリスが主人公(少女じゃないよね)
家に帰れば、母と義父のために家事を担い、給料も差し出す。
(いつ見ても、フィンランドの食事は質素だ)
こんな生活に嫌気がさすのは当たり前。生き方を変えたいと、イリスは街に繰り出すも……
何をやるにもついてないイリス。
いい事なんて何一つない。世の中上手くいかない事ばかり。
それでも怒りを表現することも無く、ただただ無表情。
おまけにセリフも最低限という感じ。
これもコメディと呼ぶのだろうか?
カウリスマキ作品の、クスッととかニンマリするような要素は無い。
無表情のまま、イリスはある行動に出るけれど……
まあ、最後はそうなるよね。
それでも、イリスは淡々としていて無表情。と言うか、むしろ堂々としている姿が妙に清々しい。
悲壮感も罪悪感も一切無し!
これぞコメディなのか!?