予定のない日曜日の朝に始まる夫婦のちょっとした諍い
バックには軽快なピアノ曲が流れる
「男ってのはそんなもんよ」
「それが女の仕事だろ」
個人の話が分母の大きな話へとすり替わる
今の感覚からすると男女の役割りへの固定概念が強くてイラッとするけどこれはそういう時代の話
会話が険悪になって問題が解決しなくても次の日にはいつもの日常が始まる
日本の夫婦ってずっとこんな感じで決着を避けて何かを飲み込みながら過ごしてきたんだろうな
夫婦の関係性を例えるタイトルのセンスもいいし“驟雨”っていう言葉自体が美しい
夫婦の会話劇が軸となっているところはベルイマンの『ある結婚の風景』と似ているけど関係の構築の仕方は真逆
夫にぐちぐちと文句を言い自分の性格をウジウジと悩む、こんな疲れた感じの原節子は初めて見た
二人の関係性を現す象徴的なラストシーンでは飲み込んでいた妻の本音がこぼれ出る
絵的にもインパクト大だった