昨年末に、なんとHNKBSで放送されていたので録画し、子供の頃に見て以来の再視聴が叶いました。
3時間近い映画には、途中「休憩」時間の映像も用意されていて、黒沢監督の見る人への思いやりも感じます。
1940年代から50年代という戦後間もない復興途上の敗戦国の日本(イタリアも)で、この様な素晴らしい映画が製作されたことに、改めて国民の底力と生き続ける文芸・芸術の力に感動するとともに誇りに思いました。
野武士に襲われる村の家々の配置など全景が分かりやすく映され、どうやって守っていくのか道を歩きながら瞬時に指示を出す勘兵衛(志村喬さん)の事前の準備の作戦シーンが面白く、映像も一緒に歩いているようでした。
集まった七人の侍も、単に剣術に長けている人を集めていないところがより現実味があって、親近感を感じて面白いです。
菊千代(三船敏郎さん)のユーモアあるキャラが楽しいし、久蔵(宮口清二さん)の正統な侍の渋さもかっこいい!
小綺麗な若侍の勝四郎(木村功さん)と村の娘との恋模様もストーリーに花を添えていて、心配する父親との絡みなど当時の村の置かれている身分の違いが分かりやすくなっていました。
雨の合戦シーンや、森の花畑に麦畑の実った麦の穂の映像など、カラーだったらどんなに美しく迫力があっただろうと思わせるシーンが沢山ありました。
いや、モノクロの映像だからこその美しさ、またアングルの作り方など本当に素晴らしく、黒沢映画の最高傑作のうちの1本だと実感しました!!
映画のポスターを、この菊千代の画像にしたことにもセンスを感じこれだけでも感動です。